研究室紹介

情報・知能コース

大槻 恭士 研究室

  • テーマ:人狼知能(関連分野:ゲームAI,マルチエージェントシステム) ・機械学習による人狼知能エージェントの役職推定 ・説得・被説得機能を備えた人狼知能エージェント
  • キーワード:人狼知能
  • 分野:数物学
  • 専門:知能情報学

研究室URL

https://otsukilab.org/

業績URL

http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/html/509_ja.html?k=%E5%A4%A7%E6%A7%BB

自己紹介

大槻恭士

研究概要

内容

①人狼知能とは,若年層に人気の「人狼ゲーム」をプレイするAIのことです.人狼ゲームは,AIが人間を凌駕したとされる将棋や囲碁のような「完全情報ゲーム」とは異なり,麻雀や大貧民のように他のプレイヤーに非公開の情報がある「不完全情報ゲーム」です.人狼ゲームでの非公開情報は,そのプレイヤーが持つ特殊能力や勝利条件で,「役職」と呼ばれます.さらに人狼ゲームは,会話のみでゲームが進行する「コミュニケーションゲーム」という側面も備えている,AIにとっては非常に難しいゲームです.この人狼ゲームを,これからのゲームAIの標準問題として提案し,複数の大学・企業の研究者がプロジェクトを組んで研究を推進しているのが「人狼知能プロジェクト」です.本研究室は人狼知能プロジェクトにおいて人狼知能プラットフォームの開発を担当し,この人狼知能プラットフォーム利用した人狼知能エージェントの研究を行っています.

②人狼知能の研究は,単に強いゲームAIを作るだけに収まらず,人あるいは他のAIを騙したり説得したりするAI技術,あるいは人を楽しませるような行動をとるAI技術など,近い将来AIに求められるであろう「社会的知能」の実現に必要な研究テーマの宝庫です.

③ここでは,深層学習を用いて強い人狼知能を目指す研究を紹介します.人狼ゲームでは,いかに他のプレイヤーの役職を推定するかが勝敗を左右します.そこで,ゲームログと呼ばれる過去のゲームの記録を特徴量に変換し,それをディープニューラルネットワークで学習しました.

④学習によって得られた役職推定器の推定精度は,ほとんどの役職で約90パーセントを達成しました.この役職推定器を用いる人狼知能エージェントを作成して,人狼知能国際大会にエントリーしたところ,惜しくも優勝は逃したものの,初の決勝進出で第2位という好成績を収めました.特に,特殊能力を持たない「村人」という役職での勝率が参加チーム中でトップになったことは,この役職推定器の威力を物語っていると言えます.

図解

人狼知能における役職推定

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